WCAN2019/2「『こんなプロジェクトはいやだ!』をいいね!にするカイゼン」参加レポート

WCAN mini 2019 Vol.1「『こんなプロジェクトはいやだ!』をいいね!にするカイゼン」に参加してきました。今回のWCAN講師は栄前田勝太郎さん(有限会社リズムタイプ 代表取締役/プランナー/ディレクター)。ワークショップ型の勉強会で、私は体験を通して、問題解決していくためにはどうしたらいいのか?チームで話し合うにはどのような方法を取ればいいのか?ということを学ぶことができました。ブログには講義の中で紹介された問題解決していくためのツールについてと、実際にワークショップをやって大切だと思ったこと、他の参加者から学んだことについて残します。
セミナーの目的:問題があることは分かっていても、それをどのように解決に導けばよいか、どう進められばよいか分からない人たちに、問題発見・解決のためのメソッドを伝え体験してもらい、それを持ち帰って自分の職場(プロジェクト/チーム)で実践できるようにする。(引用元:WCAN mini 2019 Vol.1「『こんなプロジェクトはいやだ!』をいいね!にするカイゼン」 | イベント | WCAN)
「プロジェクト」とその「問題点」について
プロジェクトとは「目的を期限内に達成する活動」のこと。
プロジェクトにおける問題点は「人」「おかね」「時間」の3つに分類できる。問題が発生するタイミングは「前提条件」「初動」「進行」「ゴール」で分けれる。初動に起因する問題は特に大きくなりやすい。進行時はクライアントととの擦り合わせ時に出てくるすれ違いが問題になりやすいので注意。
問題点(課題)について考えるには、ロジックツリーを使った課題の分解や、優先順位をつけて課題の抽出、選択をする、リフレーミングで枠組み、思い込みを変えてネガティブな状態からポジティブな状態にかえる。などの手法がある。
問題の改善方法を考えるには、まずだれにとっていのいいね!なのかを考える(発注者、受託者、ユーザー)。改善方法には、方向性が定まらないのであれば「プロジェクト立て直し」が必要であったり、ある程度成果が出てきたプロジェクトには、「成長させる」ことが必要であったりする。
個人でのワークショップ
プロジェクトとは?プロジェクトの問題とは?についてひと通り聞いたあと、個人でのワークショップを実施しました。個人でのワークショップでは、次のグループワークショップに使うプロジェクトの問題点をあぶりだす作業だったように思います。
まず理想的なプロジェクトについて考え、次に現実のプロジェクト、最後にプロジェクトの問題点についてそれぞれ考えて紙に書いていきました。
ポイント
- 「理想的なプロジェクト」について考える時にはまず「誰にとってのプロジェクトか?」を決めること
- 「現実のプロジェクト」を出す時は「理想的なプロジェクト」と対比しながら
- プロジェクトの問題は、現実のプロジェクトとのギャップから見出す
グループワークショップ
個人で考えた「プロジェクトの問題点」をグループで見せ合いながら深掘りしていきたい問題点を1つ選定し、問題の分解をしたり、改善案を出したりしていきました。結構時間は短かったのですが、どのグループもほぼ改善案まで出すことができていました。全員がペンを持ち、大きい紙に書いていくというやり方が良かったのかなと思います。
私がいたグループでは、短い時間というのもあってか、私が写真撮影しに他グループも周っているうちに皆さんすごい勢いで書いてくれてました。ただ話し合うのもいいですが、大きい紙に個人で書いていくのは良い意味で無遠慮になれるのかなと思います。また、横目に他の人が書いた内容が見えることでさらなるアイディアが生まれたりして、この方法はやっていて楽しかったです。
ぞれぞれのグループで出てきた「問題点」と「改善案」について残しておきます。
グループワークで話し合った問題点と改善案
- 問題点
- メンバーの温度差を埋めたい
- 改善案
- ほめてモチベーションUP
- みんなで決めることで問題意識をチーム全体が持つ
- 作業分担し責任分担
- ゴールを決めておく
- 問題点
- クライアントとの共通理解を高める作業不足
- 改善案
- クライアントとの十分な時間をとる
- 電話ではなく、証拠が残るコミュニケーションツールを使う
- PDCAを早く回して完成度を高めていく(アジャイル開発)
- 70%品質で出していく → 早めに出して共有していくのはとてもいい!!
- 問題点
- プロジェクトにか変わる人のコミュニケーション
- 問題の分解
- モチベーションの高い仕事もあれば低い仕事もあるために温度差が生まれる
- 直にやりとりをする場合はディレクターが温度をはかれるが、間に代理店をはさむと温度を計りづらい
- 改善案
- クライアントも全部含めてチームとして考え、初期からクライアントも巻き込む
- 問題点
- 同じ達成点を共有する
- 改善案
- 途中でひっくり返らないように、初めにイメージボードを作成してクライアントと共有
- お客さんも含めて情報を共有する場をもうける
- 同じ達成点を作る → 達成点をつねにおいておくと、迷ったときに戻れる
- 問題点
- チーム内のコミュニケーション
- 問題の分解
- 言ったこと、言われたことに対する確認ができていないことによりお互いに認識の相違が生まれてしまう
- 言われた側:確認したくても言いにくのが現状
- 言った側:確認作業がストレス
- 確認するにも職種や職場人によって意味が違う言葉があるとそこでズレが出てくる
- 改善案
- 報連相する時のcheckリストを作成しそのcheckリストに沿って確認作業を実施する
- 依頼側(言う側)はそのタスクに対するWikiを作成してチーム内で共有し言葉の意味の差異を埋める
感想
普段の仕事の中でも今回のワークショップのように、良い意味で気軽に問題点を出したり、話し合ったりすることができれば、今まで出てこなかった意見やアイディアが出やすいのではないかなと思いました。また、栄前田さんの話の中で出てきた「違和感をそのままにしないこと、一人で抱え込まないこと」という考え方がプロジェクトを改善、成長させていく足がかりになるのだろうなと思います。